モルモットの飼育・飼い方
【ケージ・小屋】
うさぎやフェレットなどの小動物専用のケージを使用します。底の深い大型の衣装ケースや、100円均一の金網で組み立てた手作りのケージでも代用できます。手作りでケージを作る際は齧っても安全な素材で、脱走しないよう丈夫に作りましょう。
ケージの大きさの目安は、狭すぎて運動不足にならない範囲、糞とエサ、生体が密集して不衛生にならないくらいの広さ、高さはそれほど必要ありませんが、横幅60×90センチ以上は用意してあげる必要があります。1メートル四方くらいのスペースがあってもいいくらいです。
ペアや複数でも飼育は可能ですが、繁殖を希望しない場合やオスとメスを一緒に住まわせないほうが良いでしょう。また、健康管理や飼育環境が不衛生にならないように気を付けます。
飼育するモルモットの頭数を考えた上でケージのサイズを選びましょう。
ケージ内には牧草入れ、ペレットフード用のエサ箱、給水器、落ち着けるシェルター(巣箱や筒のような隠れられる場所)、夏場は暑さ対策用のアルミ製の冷却マット、冬場は保温用のヒーターを入れ、ケージの底はモルモットの足を痛めないように金網を外してスノコやワラ・牧草を敷きます。
モルモットはトイレのしつけが出来ないので、トイレは設置しません。ケージのあちこちにウンチやオシッコをしてしまうので、スノコの下にペットシーツを敷いたり、敷き詰めたワラや牧草を頻繁に取り替えるなどケージ内を清潔に保つようにしましょう。
これらの飼育道具を入れてもモルモットが適度に動き回れるくらいが最適なケージのサイズです。
【温度・飼育環境】
モルモットは暑さにも寒さにも弱い動物です。
人間が快適と思う温度と同じくらいの室温、20℃〜26℃前後が適していると言われています。
夏の暑い季節は冷却効果のあるアルミ製のマットやペット専用の保冷剤を、冬の寒い季節にはペット専用のヒーターや保温効果のある巣箱や牧草ベッドなどを用意し、室温もエアコンなどの冷房・暖房器具でしっかりと調節します。
モルモットは本来は夜行性の動物ですが、飼い主の生活パターンに合わせて生活スタイルを変えてくれます。
昼間はゆっくり睡眠を取り、飼い主が仕事から帰宅する夕方から夜にかけて活発に遊んだり行動するようにもなります。
ケージを置く場所はなるべく気温の変化・寒暖の差が少なく直射日光の当たらない落ち着ける場所を選びましょう。
騒音の激しい場所やエアコンの風が直接当たるような場所も避けましょう。
【フード】
モルモットの主食は牧草です。そして牧草の補助食として栄養価の高いモルモット専用のペレットフードを与えます。
モルモットは体内でビタミンCを生成することができないので、食事を摂取することによってビタミンCを補給します。
また、モルモットは牧草を前歯で磨り潰しながら食べる事で前歯の長さを調節しているので、そういった面でも牧草は非常に重要です。
特に牧草は鮮度が落ちると嗜好性も栄養価も落ちてしまうので常に新鮮なものをケージの中に入れておきます。
また、牧草にも種類があり、モルモットを飼う上で覚えておきたい牧草の種類が2つあるので是非覚えておきましょう。
1つ目はマメ科の牧草「アルファルファ」。たんぱく質が豊富で栄養価が高く、成長期の幼モルモットに与えるのに適した牧草です。もう1つがイネ科の「チモシー」。繊維質が多く含まれ、カルシウム分が少ない為、尿石症になり易い高齢のモルモットに適しています。
モルモットの成長や体調に合わせて最適な牧草を与えるようにしましょう。
ペレットフードはモルモットの健康を考えた非常に栄養価の高いエサですが、ペレットフードだけを与えるのではなく、牧草と併せてバランス良く与えるようにしましょう。
毛球症を防ぎ消化を助けるパパイン酵素を配合したフードも販売されていますが、カルシウム分の多すぎないものをポイントにしてフード選びをするといいと思います。
モルモット専用のビタミン剤も市販されていますが、必要に応じて与える程度とし、摂取過多にならないように気を付けましょう。
【飲み物】
モルモットの飲み水は水道水をそのまま与えるだけで構いません。水入れに水を入れて毎日清潔な飲み水を与えましょう。
また、うさぎやモルモットなどの小動物の健康を考えて作られたペット専用のミネラルウォーターも市販されています。
水は1日1回は交換して新鮮で清潔な飲み水を与えてあげましょう。梅雨時や夏場は水が傷みやすくなるので、できれば1日2回、新鮮な水に交換してあげます。
飲み水を汚して不衛生にならないよう、なるべく給水ボトルを使って与えるようにし、もし給水ボトルで水を飲まない場合はケージに固定できるタイプの水受けを設置してあげましょう。
ケージ内に水がこぼれると牧草やワラなどの敷材が傷んだりと不衛生なので、ケージ内が水で濡れないように気をつけて与えましょう。
【運動】
モルモットは適度な広さのケージを用意しておけば基本的に運動不足になることはありませんが、気分転換やストレス解消にサークル内などで遊ばせてあげても良いでしょう。
1日に30分〜1時間程度、ケージから出して自由に遊ばせてあげましょう。
ただしあまり長時間遊ばせるとモルモットにストレスを与えてしまう場合もあるので、
モルモット自身が遊びたいと思う日、体調の良い時に遊ばせてあげるようにします。遊びたくない日は無理に放牧しなくても大丈夫です。
基本的に広いスペースで放し飼いにする必要はありません、ケージのそばに2〜3メートル四方のサークルを広げてその範囲で遊ばせてあげるくらいで十分です。
もし部屋を自由に放牧する場合は、放牧する前に必ずドアや窓の戸締りはしっかりしているか、モルモットにとって危険なものが落ちていないか確認しましょう。
電気コードや齧られては困るものは事前にカバーを掛けるなどして対策をしておきます。
放牧している間はモルモットから目を放さず、危険がないか、思いもよらない事故や怪我が起こらないか、モルモットの安全をしっかりと見守る事が大切です。
また、モルモットは物を齧る習性があるので、絨毯やカーペット、畳などをガリガリと齧ってボロボロにしてしまいます。
齧る事はモルモットの本能なので、怒ってもモルモットには何の事だかわかりません。逆に人間に対して恐怖心を持ってしまうこともあります。ボロボロに掘られては困るような場所には放牧しないようサークルで行動範囲を制限するか、穴を開けられても平気なカーペットを敷いて遊ばせるようにしましょう。
トイレのしつけは出来ないので、サークル内にペットシーツを敷くなど汚れない工夫をして遊ばせましょう。ただしペットシーツにはモルモットにとって危険な成分が含まれている場合があるので、ペットシーツを齧られないように気をつけましょう。
放牧時はモルモット自身に自由に遊ばせ、無理強いしない範囲でコミュニケーションを取ってあげましょう。
話し掛けたり、おやつを与えたり、優しく頭をなでてあげたり、スキンシップを図ってモルモットとの信頼関係を築いていきましょう。
おやつを与えながら抱っこの練習をするのも良いコミュニケーションになります。
【おもちゃ】
モルモットは齧る事のできるおもちゃを好みます。ハムスターのような回し車のおもちゃでは遊びません。
基本的には牧草を食べたり昼寝をしたりのんびり生活するのがモルモットの遊びであり楽しみなのですが、牧草のボールを齧ったり、天然木で出来たおもちゃをガリガリ齧ったり、また、穴の中や狭い空間に隠れる習性があるので、トンネルのような潜り込めるおもちゃで遊ぶ事もあります。
牧草やかじり木のおもちゃは齧る事で前歯の長さを整える上に、ストレス解消になるのでお薦めです。
ただ、齧れるからといって何でもかんでも与えるのは危険です。モルモットにとって危険な成分や塗料・素材が含まれているものも少なくありません。
このおもちゃは安全な成分で作られているか、誤飲をしてお腹に詰まらせてしまわないかなど、モルモットの安全を第一に考えて与えるようにしましょう。
【トイレ】
モルモットは犬や猫、うさぎやフェレットのように決まった場所に排泄をする習性がなく、トイレのしつけをする事ができません。トイレを決めずにあちこちにウンチやオシッコをしてしまいます。
ケージ内には小動物専用のトイレなどを設置する必要はなく、その代わりにケージの床にペットシーツやスノコを敷き、ワラや牧草・新聞紙などを敷いて、糞やオシッコをして汚れたら毎日取り換えます。
ケージの外で遊ばせる場合はサークルなどで仕切って、そのスペース内にペットシーツを敷いてあげるなどして部屋が汚れないように工夫します。
【ケア・手入れ・グルーミング・爪切り】
モルモットは換毛期が年2回ありますが、室内で飼われているモルモットは不定期に換毛期が起こります。
特に抜け毛の多い季節はブラッシングが非常に大切になります。
ブラッシングを怠ると毛づくろいをした際にモルモットが大量の抜け毛を飲み込んでしまい、胃や腸の中で毛玉を詰まらせる毛球症を引き起こしてしまいます。
犬や猫専用のブラシでかまいませんので、定期的にブラッシングをしてあげましょう。毎日のブラッシングは美しい被毛を作ります。モルモットの魅力はその被毛の美しさであり、手入れをして美しい被毛のモルモットに育てあげる楽しみも、モル飼いの喜び・醍醐味でもあります。
また、爪が伸びてくるとペットシーツやカーペットに足を引っ掛けて脱臼や骨折などの思わぬ怪我をしてしまう事があります。
慣れないうちは爪の尖った部分だけでもいいので定期的に爪切りをするようにしましょう。
ブラッシングや爪切り、毎日の健康チェックをするためにも抱っこのしつけは大切です。
抱っこをしてもおとなしくしているように、日ごろからおやつを与えたり頭を撫でてあげたりしながら抱っこに馴らしておきましょう。動物病院で診察して貰う時にも重要になります。
【キャリー】
動物病院に連れて行く時などには移動用キャリーケースが必要になります。
うさぎやフェレットなどの小動物専用の小型のキャリーケースが市販されています。
夏場の暑い季節は保冷剤を入れ、冬場などの寒い季節はキャリーの外側にカイロを設置するなど保温をしっかりして暑さ・寒さ対策を万全にします。
大きなキャリーよりも、なるべく小さめでモルモットがおとなしく落ち着いていられるサイズのものが良いでしょう。
タオルなどでキャリーを覆って外が見えないようにしてあげるとモルモットも落ち着けます。
長時間の外出や移動の場合はエサや飲み水なども携帯しておくと良いでしょう。
【繁殖】
モルモットはオスとメスの相性がよければ比較的容易に繁殖をします。
しかし、1回の出産で1〜6頭前後の子供を産みます。繁殖して赤ちゃんモルモットが産まれた後、これ以上飼えない・世話が出来ないなどの事態にならないよう、繁殖後の事をしっかり考えた上で行うようにしましょう。
モルモットを飼う前の準備
まず確認しましょう
・家族にモルモットを飼っても良いかを確認。
・マンション・借家の場合はペット可かどうか。
・モルモットを一生涯世話できるだけのお金があるか。
・家族に動物や牧草アレルギーの人はいないか。
モルモットをお迎えする前に家の中を整えましょう
・モルモットにとって危険な家具や電化製品はないか。
・壊されたり汚されると困るものは置いていないか。
・部屋のほこりや金属片、消しゴムなど誤飲するものは落ちていないか。
・モルモットを迎える部屋にエアコンがあるか。故障していないか。
モルモット生体を迎える前に
・飼育書を読んでモルモットについての知識を身につけておくこと。
・モルモットのケージやフード、生活用品を予め整えておくこと。
・モルモットを診察してくれる病院のチェック。
※モルモットを買う場合、まず先にケージやフードなどの生活用品を購入し、後日モルモット生体を引き取る形が一般的です。ケージは意外と大きいです。
春夏秋冬・季節に応じた飼育
■ 春の飼育環境
春はモルモットの飼育を始めるのに最も適した季節です。
また繁殖させるのにもこの季節が適しています。
梅雨時は野菜や水などエサが傷みやすくなるので、常に新鮮なエサを与えられるように気を配りましょう。ケージの掃除も頻繁に行い、衛生的な飼育環境を維持しましょう。
■ 夏の飼育環境
ふかふかの毛をまとったモルモットは暑い季節が苦手です。室温が30℃近くになると熱中症や日射病になる危険性が高くなってしまいます。
飼育する部屋に必ずエアコンを設置して26℃程度になるように温度調整をしてあげます。うさぎや小動物専用の冷却ボードや、市販の保冷剤もあるので、ケージ内に設置するなどして涼しい環境を作ってあげましょう。
また、エアコンなどの冷房器具を使用する際はエアコンの風が直接吹き付けるような場所にケージを置くのは避け、窓際の直射日光の当たる場所にケージを置かないなど、モルモットが健康的に快適に過ごせるような適切な暑さ対策をしましょう。
梅雨と同様に、夏場は野菜や飲み水が傷みやすくなります。常に新鮮な野菜やフード・飲み水を与えるようにしましょう。
ケージの清掃も普段以上にきちんと行いましょう。
■ 秋の飼育環境
春と同様に、モルモットにとって過ごし易い季節になってきますが、冬が近づくにつれ徐々に気温が下がり始めるので、再び保温・温度管理が必要になります。
モルモットや小動物用の市販のヒーターや暖房などを利用して、特に朝晩など気温の変化が激しくならないようにケージ内の温度を一定に保つようにしましょう。
■ 冬の飼育環境
モルモットは寒さに弱い動物です。適温は20℃〜26℃程度と言われており、気温が15℃を下回る環境の飼育は体調を悪くする原因になります。
モルモットや小動物専用のヒーターや暖房などを利用して、特に朝晩などの気温の変化が激しくならないように、ケージ内の温度を一定に保つようにしましょう。
夏場の暑さ対策と同様、保温・寒さ対策も大切です。
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